骨髄ドナーに選ばれちゃいました (石野鉄さん)

仕事でも絡みがある為か、「ボランティア」という言葉が無為に多用され、言葉だけが地に足が着くこともなく宙ぶらりんと各々の思惑で一人歩きをしているような心許ない気持ちになることがある。ボランティアは人に教えられるようなものでは無いと思う反面、訳もわからず学校行事としてボランティア実習やボランティア体験をやらされている小中学生をみると、やはり基礎概念は世間一般で広く共有したうえで実践(及び受入)があるべきではないかとも考えさせられる。

この本は、白血病により幼なじみを亡くした石野鉄さんが、その事実に対する罪悪感や無力感、自己嫌悪などの気持ちからドナー登録し、適合者が現れた2004年3月26日から、無事 骨髄を提供し、坂口大臣から感謝状を受け取る2004年8月2日までの鉄さんの行動や想いの記録と、それらに書き込みを加える2ちゃんねらー達の(ある種)合作によるノンフィクション(記録本)である。僅か4ヶ月の短い期間のことながら、鉄さんの正確な行動記録から骨髄提供の実態が具体的に理解でき、鉄さんの気持ちの書き込みから骨髄提供者の心境や、ボランティア・人助けとは何かを改めて考えさせられる深い1冊だった。掲示板ならではの数多くの人物、例えば骨髄提供経験がある「姉御」の登場や看護師、ドナー登録を検討している人、いわゆる煽り系の方 等々の書き込みや出会いが、当事者である鉄さんをさまざまな角度から評価・応援する。はじめての経験で、不安になり、提供の目的や意義を見失いかけることも度々の鉄さんだが、色々な書き込みを真摯に受け止め、「骨髄提供をやりきる」ことにブレが無い姿に率直な男気を感じて、(勝手ながら)人柄に惚れ込む。骨髄提供が終わった後に、鉄さんのボランティア心構えが書き込まれている534項がとても印象的だ。体験者の飾らない発言は何よりも尊く力強く、素敵な締めのカキコになっている。




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