被災地(新潟県中越沖地震)に出入りする者の礼儀

「中越沖地震の避難所、テレビ局が隠しマイク仕掛ける」 (7/21 産経新聞配信)
 新潟県柏崎市内の避難所の1カ所にテレビ局のスタッフが隠しマイクを仕掛けて
 いたことが21日分かった。(中略) また、同日午後には避難所の1カ所で、住民から
 取材を控えてほしいとの要望が寄せられ、本部が一時的に報道各社に取材の自粛を
 要請した。本部では「休んでいる被災者もおり、各社には節度ある取材に努めて
 ほしい」としている。

行き過ぎた報道というよりも、「報道」という言葉を使うには余りにもモラルが欠如した犯罪に近い行為ではないかと目を疑ってしまう。実際に被災地を訪れた方からも、一部の報道関係者の言動が 目に余るものがあったと話してくれた。例えば、災害対策本部 兼 救援物資の提供機能を有する市役所の駐車場の大半がマスコミ関係の車輌で埋め尽くされていたこと。言うまでもなく被災された方々に優先して情報と物資の提供を円滑に行うためには、誰の駐車が一番優先順位が高いか、若しくは 誰のために空けておくべきかは改めて言うまでもない。酷いケースでは、「これ旨そうじゃん」と 被災者用の炊き出しを食べようとする取材クルーまでいたらしい。

メディア(関係者)には被災地の様子を正確且つ迅速に内外に伝えるという高尚な使命と責任を有していることは理解をしているつもりだが、その報道活動自体が被災地・被害者の益を損なうことに繋がるようでは ある意味「本末転倒」と言われても仕方がないのではないか。お話しを伺った方は、被災地での購買は出来るだけ避け、食事は外部から持ち込み、ゴミも自分自身で持ち帰り、出来る限り被災地での滞在時間を最小限に留めるよう配慮されたとのこと。また、震災から1週間が経過し、避難所内には心のケアを担当する専門家以外の部外者の立入を認めないほど、内部は疲労と悲壮感が強く漂っている 辛い状況だったとも教えてくれた。

報道関係者の「礼儀」に関連して、「一部の方が」という前提ではあるが、聞けば何でも答えてくれると勘違いしている不勉強な取材者が実在されることは僕も感じるところだ。それは 権力に対して真実を追求するための取材活動(質問)とは別の次元の話しである。取材のために その地を尋ね、忙しい他人の貴重な時間を割いて頂いてカメラやマイクを向けて、広くその事実を世間に知らせたいと真摯に思うのであれば、少なくとも その地やカメラ・マイクを向ける相手に関する最低限の情報収集や基礎学習は事前に行っておくことが先方に対する礼儀でもあり、よりよい取材活動に繋がるファーストステップではないかと思う。多くの人が「少しでも良く報道して頂きたい」と思うが余り、取材者の傍若無人ぶりに目をつぶり ご機嫌を伺ってしまうことが、彼らの無神経ぶりを助長しているのであれば、それは悲しくも寂しい話しである。質問内容の他にも、主宰者側のスタッフを押しのけてまで良い場所にカメラを設置する、いい絵が撮れないと不平不満を口にする、イベントの雰囲気や進行を妨げるようなカメラワークや進行中の中座等の行動を目にすることも少なくはない。

ペンは剣より強し。情報化社会の進展で更にその傾向が強まり、報道されたことが即ち世間一般の事実や世論として定着しやすくなっている今、報道関係者は自分たちの持てる力が絶大だからこそ、一歩引いて謙虚に且つ慎重な姿勢で現場に臨む必要が高まっているのではないかと生意気なことを思ってみる。

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