新ボケても心は生きている (佐々木健 先生)

佐々木健先生は開業して二十数年を迎える 岡山県笠岡市にある認知症専門病院「きのこエスポワール病院」の院長先生である。岡山でも全国的にも認知症を専門に扱う先駆け的Drであり、きのこグループの事業自体も、笠岡市に於ける病院・特養・老健・在宅事業・グループホーム事業のみならず、岡山県内の多くの地域で行政とコラボレーションした積極的な事業展開を行われている。認知症研究についても、全国発の認知症専門病院の建設に始まり、回廊式廊下の試行や、北欧との積極的な交流に基づくユニットケアの実践など とにかく良かれと思えば何でも具体的に試してみる積極性溢れるDrである。

かれこれ十年以上前になるが、或る経営セミナーで佐々木先生のお話を伺ったことがあり、『痴呆(当時は認知症のことを痴呆と言った)はね、病だれだから病気なの。何の病気かと言うと「知」、知識・知能の病気なんです。それでね、患者さんが口を開けてボーっとしている状態のこと。』と喩えられたことを今でも印象深く思い出す。当時は痴呆が病気であることすら社会的に認知されず、偏見や差別が平然と行われ、痴呆患者さんは専門職と称したスタッフに当たり前のように隔離・拘束などの人権侵害を受けていた時代である。

いわゆる「介護」に携わる、若しくはこれから携わろうと思っている方は是非読んでおいた方が良い本と思われる。特に 現在 ユニットケアに携わっている職員の方は「心得本」として是非読んでおくべき1冊である。

治療型から管理型、管理型から 寄り添うケアにスタッフの意識共々質的変換を図られ、寄り添うケアにはユニット型が一番適していたということが、今のところの結論であるものの、ユニットが最終形ではなく、今後も質・形を変えながら より良いケアを模索され続けることだろう。

本書の前作にボケても心は生きている―エスポアール病院の新たな挑戦(1994)があるが、少し古い話しにはなるものの、内容は決して色褪せておらず、本書よりも手探り状態の佐々木先生のチャレンジシップと認知症患者さんへの熱い想いを感じられる前作もお勧めの1冊である。







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