「なん民」について勉強する

先日「難民」について勉強する機会を得たので 折角の学習をまとめておこうと思う。
タイトルの「なん」が平仮名なのは、「難しい民」では言葉によるマイナスイメージが強く、社会に受け入れられにくいとの支援者サイドの言葉の配慮に基づくものである。

難民とは「人種・宗教・国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するため、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護をうけることができないもの 又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者をいう」と難民条約により定義されているらしい。難民は避難民の略であり、要は国や故郷(国内避難民)に帰ろうに帰れない人たちのことを指し、帰ろうと思えば帰れる人は難民ではなく「移民」に分類されるとのこと。

世界には約5,000万人の難民が存在し、難民が発生する根本的な原因としては「政治的原因」「民族的対立」「経済的原因」「環境問題」などが挙げられる。難民問題の解決方法は、望ましい順に「自主帰還」「第一次庇護国への定住」「第三国定住」とされているが、日本に於ける難民受入数は、政策として受け入れたインドシナ難民 11,319人(ベトナム8.656人+ラオス1,306人+カンボジア1,357人)と、条約難民 410名(ミャンマー・アフガニスタン・イランなど)に限られており、世界的にみると難民支援後進国のようである。日本に於ける難民受入から教育、職業斡旋などの支援全般を政府の委託期間として担当している団体が「財団法人アジア福祉教育財団 難民事業本部」であるが、インドシナ難民受入が落ち着いた昨今、全国に数カ所あった一時受入・教育施設数(長崎・神奈川・兵庫ほか)は、現在1箇所に絞られ 約5.9億円の政府予算(外務8:厚労1:文科1)+募金を基に活動を行っている。

政策による難民受入を除き、いわゆる条約に基づく一般的に言う難民として認められるためには、自身にて難民認定申請を行い、法務大臣による認定を受ける必要がある。しかし、認定には早くて1年、遅い人は12年を要したケースもあるらしい。その間、難民認定申請者は就労することができず、一般的にはNGOなどの支援と難民事業本部による給付金(生活保護水準)を受けながら認定を待つようだ。認定は1度棄却されても、請求すれば難民審査参与員による再審査が行われ、大半が難民審査参与員の判断が最終判断として通るらしい。ここで認定されると「RHQ支援センター」への入所が許可され、センターでは日本語教育(4ヶ月)→社会生活適応指導(2ヶ月)→職業斡旋を受けることができる。教育期間があまりにも短いように思えるが、現実的にはセンター入所=難民認定を受けるまでに相当の年月を要することから、入所時には既にある程度の生活力を有している者も少なくないらしい。職業斡旋では、専門の職業相談員(厚労省)により 各種保険アリで概ね月額15万円程度(賞与無)の職を斡旋しているようだ。

難民には、ジャーナリスト・学者・政治家・大学生・アーティストなど様々なジャンルの人材が存在し、各国の難民行政のトレンドは優秀な難民を自国の発展のために活用するための積極的青田買いが世界中で行われているらしい。中でもタイの難民キャンプで生活している難民は、キャンプの充実(衣食住・医療・教育)により優秀な人材を輩出しており、アメリカなどはキャンプ丸ごと全員をアメリカに受け入れるなど、豪快かつ戦略的な難民行政を行っている。ただ、支援が半ば中途で うち切られた難民キャンプも数多く存在し、欧米のNGO等は支援開始も早いが支援終結の決断も早く(優先順位に基づく割り切った行動)、一方 日本は若干支援開始は遅いものの、最後まできめ細かい支援を行うことで評価が高いようだ。難民キャンプに於ける支援の基準はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の緊急対応ハンドブックで事細かく定められており、例えば食料は1日1,900カロリー(米400g・豆60g・油25g・砂糖15g・塩5g)、給水は1日15~20リットル/人といった具合である。

日本に於ける難民事業が今ひとつ大きく進展しない理由として、国内世論の盛り上がりに欠けることが挙げられる。正直、僕自身インドシナナンミンという言葉は聞いたことがあったが、詳しいことは全く知らなかったし、知りたいとも思っていなかった。外務省が実施した調査では70%が「難民支援は現状のままで良い」との統計だったことが関心の低さを物語っており、難民問題よりも国内問題を優先して欲しいという考え方が根強い以上、無理矢理 多くの難民を日本国内に受け入れたとしても 日本人によって 彼らが温かく迎えられる可能性は低く、インドシナ難民達が受けた いじめの苦しみを再来させる結果に終わっては本末転倒と 関係者の苦悩は深まる。

何だかんだで、今のRHQ支援センターで受け入れることができる、現在の予算枠内で出来る範囲のことを それなりにやっておこう・・・というのが、残念ながら今の日本の難民行政の現状であるように感じられた。しかし、少子高齢化やグローバル化が進む今、先述の戦略的難民の受入について 小さいながらも何らかの突破口をひらき、日本人と難民双方が幸せを享受できるシステム作りが出来たら良いのだが、、、と色々なことを考えさせられた有意義な勉強会だった。

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