防災に関する条例制定についてお勉強する

先日、防災対策に関する県条例制定に向けた勉強会に参加した。

200名近い参加者で、盛況といえば盛況な会だったが、参加者の平均年齢は若く見積もって50代後半、町内会関係者と思しき方々が9割を占めていたのではないか。30歳未満は皆無、30~40歳代も殆どいなかったのではないか。地域防災の担い手はリタイアメントということか、但し年末に向けて学生との意見交換会や青空知事室、パブリックコメントの実施が予定されており、県もその辺りは抜かりが無いようだ。

演者のお話しは それぞれ興味深かったものの、そもそも何故条例化が必要なのかについては殆ど触れられることがなく、その条例が出来た後の具体像についても 今ひとつ明確に理解することができず、条例制定ありきの趣旨説明や想いの丈をお伺いするスタイルの会に終始していた。これは 条例制定検討委員会と県の主催である以上、当たり前と言えば当たり前だが、条例という錦の旗・指針を 敢えて「県」が掲げる必要性について、原点からの説明があれば より納得できたのに、と ひとり残念に思う。

兎に角、現在ある県と市町村の地域防災計画は「公助」に相当するものの、阪神大震災では公助は殆ど機能すること無く、実際の救助活動の95%は家族・近所の皆さんが担当されたことから、「公助」だけではなく 「自助」「共助」が盛り込まれた条例を作る必要があるという論調が骨子になっていることは理解できた。専門家では無い全くの素人とすれば、それならば新たな条例策定ではなく、地域防災計画に自助・共助の項目を追加して作成し直せば良いように思うのだが、それとこれとはまた別の話なのだろう。

大きいことを書くようだが、或る物事への取り組みスタイルは、上から決めて下に下げる中央集権的なやり方と、下から積み上げて単位を重ねて大きくする地域づくり的なやり方の2つがあるように考えられる。個人的には地域防災については地域によってリスクや構成・環境が全く異なることや、対応には詳細・具体が求められることから、後者ありきの取り組み方の方が的確のように思える。しかし、予算の付け方や地域間格差=地域によって力の入れようにムラがある現状からは、前者スタイルでとりあえず錦の旗を県が掲げる方が現実に即しているという判断なのかもしれない。

今回 この条例制定と同時並行して地域で自主防災組織の編成を促し いくらかの予算を団体に交付しているようだ。主な受け皿は町内会が主流になっている様子だが、この町内会・自治会・民生委員・愛育委員・コミュニティー協議会・体協・消防団など、挙げればキリが無い割にメンバーを見ると殆ど同じ人々で構成されている地域(末端)組織の構成は何とかならないものだろうか。以前のように農業を中心に、仕事も生活も共助で成り立っていた時代とは異なる超高齢社会に於いては、出来る限り組織を1本化する必要があるように思うのは僕だけだろうか。また、民政委員には例えば福祉援護課が、愛育委員には保健所が、町内会・自治会には市民企画総務課がバックについており、これらを横断的に統括する地域組織やバックの行政担当課が無いことも一体感の無さに繋がっているような気がする。

話しがドンドン逸れて行くが、今回参加されていた町内会長と思しき方々の発言の多くに、個人情報保護法によって 地域にどのような方々がどれだけ住んでいるのかが把握出来なくなったと話されていたが、これは僕にとっては大きな認識のズレを感じる発言であった。まず、個人情報保護法を乱暴に一言で言うと 個人情報の目的外使用の禁止であることから、自分たちで足で稼いで当人から情報を得るスタイルを阻害するものでは全く無いということである。情報が知りたければ自分の足で稼げば良く、そもそも入会の勧誘や申込み、世帯把握などは町内会を運営する上で必要な日常業務ではないのだろうか。会長さん達が言われている弊害は、行政から情報が出なくなったという指摘なのだろうが、行政に強くお願いすればするほど情報とお金が沢山出て来る時代は十の昔に終わったことを もっと認識されるべきである。また、大切な個人情報を管理するためのマニュアル作りや、当人からの問い合わせに関する書式やマニュアル、建物に固定され施錠が徹底したロッカーの設置などの基礎的な準備をされた上での発言なのだろうか。今は集会と銘打った酒席で個人情報を駄々流ししても「お酒の席ですから」で許される時代では無い。加えて、俺達が昔から住んでいる 俺達の地域(町内会)にお前らを入れてやろうか的なスタイルは良かれ悪かれ通用しない時代になっていることも 認識すべき事実のひとつなのだろう。入口が共助的で無いならば、中身も 出口からも共助は生まれてこないような気がする。

個人的には今のところ「共助」というテーマの旗振り役は県でも市でも町内会でも無く、社会福祉協議会ではないかと考えられる。社会福祉協議会は全国・都道府県・市町村単位に加えて中学校区又は小学校区で構成される地区社協という組織まで、正に全国津々浦々をカバーする公的要素も強く持つ福祉組織・福祉ネットワークである。彼らであれば、災害時に支援が特に必要となる子供・高齢者・障害者の把握は日常的に行っているであろうし、活動を通じた彼らとの面識もあり 有事の支援も双方にとって気心が知れて安心である。また、社会福祉協議会は社会福祉法人の親玉であることから、もう少しリーダーシップを発揮すると (若干語弊のある言い方ではあるが)配下に中学校区に1箇所以上必ずある特別養護老人ホームや保育所を有することになる。社協は 災害対策準備期間中は本来業務の延長線に「防災」のテーマを盛り込み、中学校区ごとに災害支援コーディネータを養成・組織し、有事には特別養護老人ホーム等を避難所機能も有する地域末端の災害対策本部として活用すれば良いのである。少なくなったとは言え、特別養護老人ホームは公金(税)が投入されて作られており、耐火以外に明確な基準は無いものの 少なくとも一般住宅よりも耐災能力は優れていることは明確であり、最近では 名指しで公金が付く割に さほど地域還元されていないとの噂もある地域交流スペースなるものを有した施設も多い。地域交流スペースにデイサービスなどの通所の部屋を加えると 相当の面積が期待でき、トイレも厨房もお風呂も空調も簡単な医療スペースに加えて看護・介護スタッフも備わっている。少し予算をつけて厨房には米や水などの一定の非常食糧をストックすることをルール化し、平時には先入れ先出しで消化すればスペースの問題はあるものの賞味期限の問題も解消される。また、如何せん時間的にも物理的にもリタイアメント以外は参加しづらい町内会では、発想の柔軟性や、取り組みの均一化や、時代に伴い変化する制度や情報に対応しきれないことは前述のとおりであり、有給職員として福祉の心得をもった県や市の社会福祉協議会職員が関わることで 随分と雰囲気も内容も変わっていくのではないかと考えられる。

今回の新潟県中越沖地震でも、新潟地方は経験者であるにも関わらず 救援物資の受付は教育委員会が、配送は商工会等が担当と、平素からも何ら交流が無い組織が一連の作業を担当していたこともあって 物資ひとつとっても やはり混乱していたと聞いている。平時と有事が一直線で繋がるような体制を平時から中学校区単位で指揮系統が明確な組織で組み立てておく必要性が高いものと考えられる。

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