ナイトフォール 上・下 (ネルソン・デミル氏)

何はともあれ上巻525ページ+下巻459ページの大作(長編)であった。
ここまで長いと読み終えた後に感想とは別に一種の達成感すら感じてしまった。

「ナイトフォール」は、1996年にアメリカのトランスワールド航空(TWA)800便が空中爆発により墜落した実話を基に書かれた小説である。飛行機に向かう謎のミサイル類似の飛行物体の目撃証言や写真、正体不明の船舶の存在などが、一週間後に迫ったアトランタ五輪との関係性=テロ攻撃を連想させ、後日 公式発表された燃料タンク引火爆発を懐疑的に思わせる世論がアメリカ国内でも根強かったことは事実のようであり、本書でもション・コーリー捜査官が事件の真相に迫るべく、真相解明のキーとなるビデオテープを多くの困難(敵・権力)と限られたヒントから個性的な手法で探し出していく過程がスリリングに描かれている。

ただ、本書は続き物らしく、前編に「プラムアイランド」「王者のゲーム」が、続編として9.11以降のアメリカを舞台とした「WILD FIRE」(日本語未訳)があるようだ。そういう意味では、本書の「オチ」は過程の長さと比較すると弱い印象もあったものの、もともと飛行機モノが好きなこともあって、オチに至るまでのドラマチックな流れは読み応えがあり、続作への期待を抱かせるに十分な内容だった。また、ネルソン・デミル氏の原作が優であることは言うまでもないが、訳者である白石朗さんのテンポ良い日本語訳の腕も光る、原作者との相性の良さを感じさせる1冊でもあった。早速「プラムアイランド」「王様のゲーム」をamazonで注文する。





つづいて、裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書 な 3-1) を読む。ページ自体は217ページあるのだが、右頁に裁判官のお言葉、左頁に発言(事件)の背景と著者の僅かなコメントが記された編集スタイルであり、文章量としては甚だ少なく1時間強で読み終えてしまった。「爆笑お言葉集」と書かれているものの、個人的には「爆笑」できるような発言は全く見あたらず、むしろ死刑を含み 人が真摯に裁かれているテーブルでのコメントに爆笑などというコトバをあてる事自体が不適切ではないかという印象を受けるに終わった。著者の裁判(裁判官)に対する一方ならぬ想いは伝わってくるものの、裁判員制度等でクローズアップされつつあるテーマだけに 一層の表現力・表現量の深化に期待したいと思う。ただ、表現は甚だ適切性に欠けるかもしれないが「役人のトレーサビリティ(公僕として公務公費で何を担当し成し遂げてきたかを採用時からの人事時系列に整理して客観的に公表)も必要ではないか」という視点からすると、このような類型の本や著者の潜在力は極めて高いのかもしれないとフト思ってみたりもする。





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